はじめに
おととしのドラフトで熊本の東海大熊本星翔高校の百崎蒼生内野手が阪神タイガースに4位で指名された。
百崎選手は、2年春に神奈川の東海大相模高校をチームメイトとのトラブルで退学し、東海大熊本星翔高校に転校。3年夏には夏の甲子園に出場した。
百崎選手は、転校してから1年間公式戦に出場していない。
なぜなら高野連が定める「転校規制」というものがあり、転校してから1年間は試合に出場することができないからだ。
いじめや指導者による不適切な指導が絶えない現代において、入学した高校が自分に合っていないと感じる選手も少なくないだろう。
この記事では「転校規制」の必要性について考えてみる。
転校規制とは
転入学生は、転入学した日より満1ヵ年を経過したもの。ただし満1ヵ年を経なくても、学区制
の変更、学校の統廃合または一家転住などにより、止むを得ず転入学したと認められるもので、
本連盟の承認を得たものはこの限りではない。
なお転入学生であっても、前在籍校で野球部での活動実績(学校実施の体験入部は活動実績に含
まず)のない者は転入学した日から参加資格が認められる。
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実際に転校した選手
百崎蒼生 東海大相模高校→東海大熊本星翔高校→阪神タイガース
東海大相模高校を2年春に退部し、東海大熊本星翔高校に転校。
3年の夏には甲子園出場。
小野勝利 横浜高校→花咲徳栄高校→栃木ゴールデンブレーブス
横浜では1年時に甲子園に出場。指導者との相性が合わず2年の6月に花咲徳栄高校に転校。
なぜ転校規定があるのか
- 選手の引き抜き防止
転校規定がなければ他の高校の選手を引き抜くことが可能になる。
その際に選手の周りで金銭が発生する可能性も考えられる。
それを防ぐために転校規定があるのだ。
実際に他のスポーツでも転校規定がある。サッカーやバスケは野球とは違い6か月の出場停止となる。
求められる転校規制の緩和と課題
様々な事情で野球部を辞める選手がいる。
2年の7月までに転校しなければ最後の夏の大会に出ることはできない。
考え方を変えれば、最後の夏の大会にしか出場することはできない。
転校規定を半年にすれば2年の8月に退部しても、3年の春と夏の大会に出場できる。
そうすれば転校した選手が公式戦で活躍できる機会が増えるのではないか。
転校規制を緩和すれば、「退部」して野球を辞めるのではなく、「転校」して野球を続ける選手が増えるだろう。
一方で、転校した選手によって、元々いた選手の出場機会が減る可能性もある。
自分の出場機会が減って納得いかない選手も発生するだろう。
元々チームに所属していた選手の出場機会の減少、そして受け入れる高校が果たしてどれくらいあるのかが不確かというのが「転校」においての課題だろう。
転校せずクラブチームに所属するという選択肢
近年、野球部を退部してクラブチームに所属し、大学の野球部やプロに向けて野球に励む選手が増えている。
GXAスカイホークス
関メディベースボール学院
高校の野球部を退部してクラブチームに入った選手
渡邉一生 日大藤沢→GXAスカイホークス→仙台大
日大藤沢高校を2年の冬に退部し、日本航空(通信制)に通いながらBBC(現GXA)スカイホークスに所属。高校卒業後は仙台大学に進学し、大学日本代表にも選ばれた。
木村翔平 桐生第一→GXAスカイホークス→仙台大
桐生第一高校を1年の秋に退部し、日本航空(通信制)に通いながらBBC(現GXA)スカイホークスに所属。今年の春に高校を卒業し、仙台大学に進学。
おわりに
日本人は、続けることが美でやめることが悪という考え方をする傾向にある。
いじめや指導者の不適切な指導で苦しんだら逃げていいのだ。
いじめや体罰が正当化されているチームでの3年間に価値はあるのか。
そして高校野球は「甲子園に出ること」だけではない。
クラブチームで大学の野球部に入部するために練習する選択肢だってある。
高校野球の選手たちは、心の底から野球を楽しむことができる環境で野球をしてほしい。


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